2014年8月10日日曜日

中国格安携帯の実力

彼の抜擢は突然だった。
前任が溺死という衝撃的な最期を遂げたことにより、
数週間ただいつ来るともわからぬ出番を待っていた彼に、
思いもよらぬ早い段階でお呼びがかかった。
物珍しさとコストパフォーマンスだけが取り柄だと言われ、
使われもしないうちに売り飛ばされそうにまでなっていた彼が、
突然エースの座を任されることになったのだ。

今年6月、999ドル(約1万2千円)で物は試しと購入した中国スマホのに、

こんな形で助けられるとは思わなかったが、
誤って一緒にプールに飛び込んでしまったNexus 5程とは言えないものの、
これまでのところ必要十分以上のパフォーマンスを示してくれており、
スマホにかけるべきコストの概念を一新させてくれている。





実はこの香港でもなかなか入手が難しい状況でまだ希少性があり、

日本のテック関連のウェブサイトでも取り上げられていたこともあり、
入手後一時はYahooオークションで売れるのではないかと思い試していた。
ところが、1万5千円ぐらいで、そこまでプレミアムを乗せていないのにも関わらず、
なかなか買い手がつかずに売れずのまま数週間が過ぎてしまっていたのだ。

突然のアクシデントだったこともあり、
当初はたいして期待せずに使い始めたのだけど、
iPhoneの5分の1、Nexus 5 の3分の1以下という価格を感じさせないぐらい、
必要十分以上の活躍をしてくれている。
アップルが目指す技術・デザイン的な最先端とは異なる方向かもしれないが、
ある意味世界のほとんどの人が必要としているのはこの程度の携帯かもしれないと感じた。

意外に良かった点
1.5000ドル以上もする貴重品が常にポケットに入っているという緊張感から解放される

2.傷ついても999ドルだとあきらめがつく
3.壊れても999ドルならショックが少ない
4.なくしても999ドルだとまた買えばいいやと思える
5.電話、メール、ネット、Facebook/Whatsappが普通に使える。(個人的にはこれができれば携帯としてもう十分)

物足りない点
1.GPSの反応が鈍い。現在位置を特定するまで数分かかることがある
2.多くのタブを開くとブラウザがフリーズすることがある。キャッシュをクリアすると一時的に改善する
3.日本語の情報が少ない、が意外に英語の情報は充実している


紅米を使い始めたばかりではあるけれど、
世の中には中国を中心に1000ドル近辺のスマートフォンがかなり出始めてきており、
今注目しているのは、中国・深センの会社が作っている。One Plus Oneという携帯電話。

Nexus 5キラー端末として日本のメディアでも紹介されているけれど、
端末を入手した人から招待を受けなければ購入ができないという、
手に入れることがまだ非常に困難な状況が続いている。

OnePlus Oneが高スペック低プライス過ぎてNexus 5霞む
http://www.gizmodo.jp/2014/04/oneplus_onenexus_5.html

紅米も、ウェブ限定販売で、限られた台数を早い者勝ちで買わせることで希少性を演出していたけれど、周到な準備と粘りがあればまだ買える気がしたけれど、このOne Plus Oneは周りに入手した人がいなければ手も足も出ないので、もやもや感がつのる一方だ。早く生産が軌道に乗り、多くの人が購入できるようになって欲しい。

ところで、プールの水に30分以上も浸かっていた前任のNexus 5は、
その後除湿機にあてたり、冷蔵庫に入れたり、いろいろと悪あがきをしてみたのだけど、

復活することはなく、そのまま永眠されたのでありました。